電気 / GUIDE
電気代が高い理由と対策2026年|再エネ賦課金・燃料費調整を分解
2026年度の再エネ賦課金は4.18円/kWhで過去最高。電気料金の内訳(基本料金・従量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金)と、上限の有無・政府支援の断続が家計に与えた影響を数値で分解します。乗り換えで動かせる部分と動かせない部分を切り分けます。
結論:値上がりの4要因のうち、乗り換えで動かせるのは2つだけ
電気代が 急に高くなった と感じたら、まず請求書の内訳を4項目に分けて見てください。2026年度の再エネ賦課金は 1kWhあたり4.18円 で過去最高水準ですが、それだけが原因ではありません(経済産業省・2026-08-09確認)。
電気代が急に高くなった理由は主に4つあります。このうち電力会社の乗り換えで動かせるのは基本料金と従量料金の2つだけ で、再エネ賦課金と燃料費調整額の仕組みそのものは変えられません。ここを分けて考えないと、乗り換えても期待外れになります。
- 再エネ賦課金の過去最高更新(4.18円/kWh)— 全社共通。乗り換えても変わらない
- 燃料費調整額の上限撤廃(自由料金。規制料金の従量電灯Bは上限が残る)
- 政府補助の断続 — 2023〜2024年の激変緩和は終了。2026年7〜9月使用分は別事業で再実施中
- 規制料金の値上げ(大手電力各社が2023〜2024年に実施)
電気料金の内訳 — 4つの費用項目を整理する
電気代の請求額は、主に以下の4項目で構成されています。
| 費用項目 | 概要 | 2021年頃との変化 |
|---|---|---|
| 基本料金 | 契約アンペア数に応じた固定費 | ほぼ横ばい(プランによる) |
| 従量料金 | 使用kWh数 × 単価(3段階制が多い) | 2023〜2024年の値上げ申請で上昇(東電は2023年6月〜) |
| 燃料費調整額 | 輸入燃料価格の変動を毎月反映(±) | 2023年春の上限撤廃で上昇幅が拡大 |
| 再エネ賦課金 | 全会社共通の賦課金(2026年度4.18円/kWh) | 2021年度比で約0.82円/kWh上昇 |
「急に高くなった」と感じる主な原因は、燃料費調整額の上昇と再エネ賦課金の過去最高更新、そして政府補助の縮小・終了です。
再エネ賦課金とは — 2026年度は過去最高の4.18円/kWh
再エネ賦課金(正式名称:再生可能エネルギー発電促進賦課金)は、太陽光・風力などの再生可能エネルギーの普及を支援する費用を電気利用者全員で分担する仕組みです。2012年のFIT(固定価格買取)制度開始と同時に導入されました。
電力会社や契約プランに関わらず、使用量1kWhごとに一定額が上乗せされます。2026年度の単価は 4.18円/kWh で、前年度(2025年度・3.49円/kWh)から0.69円/kWh上昇しました(単価は経済産業省の2026年度設定・2026-08-09確認/前年度比較は2026-05-13確認)。
| 月間使用量の目安 | 再エネ賦課金の月額 | 年間換算 |
|---|---|---|
| 150kWh(一人暮らし) | 約627円 | 約7,524円 |
| 300kWh(2〜3人家族) | 約1,254円 | 約15,048円 |
| 450kWh(4人家族) | 約1,881円 | 約22,572円 |
| 600kWh(大家族・オール電化目安) | 約2,508円 | 約30,096円 |
燃料費調整額と上限撤廃 — 電気代を押し上げた構造的要因
燃料費調整額とは
電気を作るにはLNG(液化天然ガス)・石炭・石油などの燃料が必要です。燃料費調整額は、これらの輸入価格が上がれば電気代に加算され、下がれば減額される仕組みです。3か月前の輸入燃料の平均価格をもとに翌月の調整単価が算出されるため、燃料価格の高騰は電気代に遅れて反映されます。
上限撤廃(2023年春)で何が変わったか
以前は大手電力各社が燃料費調整額に「上限単価」を設定しており、燃料価格がどれだけ上がっても請求額にはある程度の歯止めがかかっていました。2022〜2023年の燃料価格急騰を受けて、自由料金プラン(東京電力ならスタンダードSなど)では上限を外した社が多いです。一方、規制料金の 従量電灯B には上限が残っています(東京電力 従量電灯B・2026-08-26確認)。新電力の東急でんき従量電灯Bは、公式に燃料費等調整の 上限なし と案内しています(燃料費調整額・2026-08-26確認)。「上限がなくなった」はプラン名まで見て判断してください。
- 上限あり(〜2023年春頃) — 燃料価格が上昇しても、利用者への上乗せ額に歯止めがかかっていた
- 上限なし(2023年春〜) — 燃料価格の上昇がそのまま電気代に転嫁される構造になった
2023〜2024年に燃料価格が高止まりした時期は、燃料費調整額だけで月数百〜1,000円以上の上乗せになった月もあります(東京電力エリア・300kWh/月の参考値。実際の金額は電力会社・時期・使用量により異なります)。現在の調整額は契約中の電力会社の公式サイトで確認してください。
政府補助は一度終わったあと、2026年夏に別事業で再実施されている
電気代の急騰に対し、政府は2023年1月から「電気・ガス価格激変緩和対策事業」として電気料金の補助を実施しました。その事業は2024年までに縮小・終了しています。いまの請求に乗っている値引きは、別事業です。
| 期間 | 内容 |
|---|---|
| 2023年1月〜9月 | 激変緩和:7円/kWh(2026-05-13確認) |
| 2023年10月〜2024年4月 | 激変緩和:3.5円/kWh |
| 2024年5月 | 一旦終了 |
| 2024年8月〜10月 | 2.5〜4円/kWh(再開・期間限定) |
| 2026年7月〜9月使用分 | 電気・ガス料金負担軽減支援事業。低圧 7・9月使用分 3.5円/kWh、8月使用分 4.5円/kWh(東急でんき&ガスのお知らせ・2026-08-26確認) |
2026年の電気代は具体的にいくら高いのか — 月額試算
標準家庭(月300kWh使用・2〜3人世帯)における、増加要因ごとの月額影響を整理します。
| 要因 | 月額への影響(300kWh・概算) |
|---|---|
| 再エネ賦課金の増加(2021年度3.36円 → 2026年度4.18円/kWh) | +約246円/月 |
| 燃料費調整額の上昇(上限撤廃後・高騰期) | +数百〜1,000円超/月(時期による) |
| 政府補助の終了(最大7円補助分が消滅) | +最大約2,100円/月(補助あり時との比較) |
| 規制料金の値上げ(2023年6月〜東電の例) | +数百円/月(電力会社・プランによる) |
使用量・電力会社・時期によっては月2,000〜4,000円以上の増加になるケースもあります。正確な増加額は契約中の電力会社のマイページや検針票で月別の推移を確認するのが確実です。
電気代を安くする方法 — 節電の限界と乗り換えの位置づけ
節電だけでは吸収しきれない
エアコンの設定温度調整・待機電力の削減といった節電も有効です。ただし、300kWhの使用量を10%削減して270kWhにできたとしても、月額の削減は数百円程度です。再エネ賦課金や燃料費調整額の上昇分を節電だけで吸収するには限界があります。
乗り換えで動くのは単価だけ
基本料金・従量料金の単価そのものを変えるには、電力会社・プランの乗り換えが選択肢になります。ただし検討前に、次の4点を前提として押さえてください。
- 再エネ賦課金は新電力でも同じ金額(4.18円/kWh)がかかる
- 乗り換えで安くなるかは使用量・現在のプラン・乗り換え先によって異なる
- 市場連動型プランは燃料価格の高騰時に逆に高くなるリスクがある
- マンションの一括受電物件では個別の乗り換えができない場合がある
乗り換えを検討する際は、現在の検針票(月間使用量・プラン名)を手元に用意してから各社の料金シミュレーターで試算するのが確実です。各社プランの比較・乗り換え手順・向く人/向かない人のチェックリストは 新電力おすすめ比較2026年 にまとめています。
- 検針票で現在の月間使用量とプラン名を確認する
- 新電力おすすめ比較2026年 で各社プランの型を把握する
- 自分の使用量を各社の料金シミュレーターに入力して試算する
電気代に関するよくある質問
- Q. 電気代が急に高くなった原因は何ですか?
- A. 主な要因は再エネ賦課金の過去最高更新(2026年度4.18円/kWh)、燃料費調整額の上昇、2023〜2024年の政府補助の縮小、大手電力各社の規制料金値上げです。2026年7〜9月使用分は別事業の値引きが乗っているため、今の請求だけを見て「安くなった/高くなった」と判断すると見誤ります。検針票の月間kWhとプラン名、マイページの燃料費調整額の推移を先に見てください。
- Q. 再エネ賦課金はいくらですか?
- A. 2026年度は1kWhあたり4.18円です。制度が始まった2012年以来の過去最高水準です(経済産業省・2026年度設定・2026-08-09確認)。月300kWhを使用する家庭では月約1,254円の負担になります。
- Q. 燃料費調整額はなぜ毎月変わるのですか?
- A. 3か月前の輸入燃料(LNG・石炭等)の平均価格をもとに毎月計算されるためです。国際価格が上がれば調整額も上がり、下がれば下がります。自由料金プランでは2023年春以降に上限を外した社が多く、規制料金の従量電灯Bは上限が残っています。契約中のプラン名で確認してください。
- Q. 新電力に乗り換えれば電気代は安くなりますか?
- A. 必ずしも安くなるとは言えません。再エネ賦課金は乗り換え先でも同額かかります。基本料金・従量料金の単価が現在の契約より有利になる場合に節約できます。月間使用量・現在のプラン・乗り換え先のプランを照合して試算してから判断してください。
- Q. 電気代が特に高くなる季節はいつですか?
- A. 夏(7〜9月)と冬(12〜2月)はエアコン・暖房の使用量が増えるため電気代が高くなりやすい時期です。再エネ賦課金・燃料費調整額は使用量に比例して増えるため、使用量の多い季節ほど値上がりの影響が大きくなります。
- Q. 政府の電気代補助はいつまで続きますか?
- A. 2023〜2024年の激変緩和対策事業は終了しています。その後、2026年7月使用分〜9月使用分は「電気・ガス料金負担軽減支援事業」として低圧で3.5〜4.5円/kWhの値引きがあります(東急パワーサプライ公式お知らせ・2026-08-26確認)。期限付きなので、年間の電気代試算には入れないほうが安全です。最新は経済産業省と契約中の電力会社の案内を見てください。